モハメド・アリ かけがえのない日々

ここんとこ凹んでいるので、我ながらまずいなーと思い、ちょっと元気の出そうなDVDを見た。「モハメド・アリ かけがえのない日々」。1997年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞作品。
モハメド・アリは「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と讃えられたヘビー級ボクサー。でも、このかけがえのない日々で取り上げられているのは、全盛期ではなく、1974年のアリ。
アリは1967年に、ベトナム戦争徴兵拒否でライセンスを剥奪され、その後3年間のブランクを余儀なくされた。復帰前と復帰後の自分が闘ったら、以前の自分が勝つだろうとアリ本人が語っているほど、そのブランクは超えられないものだったらしい。
そんなアリと対戦するのは、当時の世界ヘビー級チャンピオンのジョージ・フォアマン。試合前の評判はと言えば、当然のようにフォアマン優勢。しかし、そこに劇的な展開が待ち受けているのですねぇ。
世紀の一戦の舞台は、ザイール(現コンゴ民主共和国)のキンシャサ。世界中が注目するタイトルマッチにかかる莫大なファイトマネーを、国の知名度を上げようとしていた、ザイールの独裁者・モブツ大統領が引き受けたからなのだった。こうしてアリとフォアマンは、自分たちのルーツであるアフリカ大陸へ向かう。
これだけでもエキサイトするシチュエーションだけど、当時横行していた黒人差別に対するアリの姿勢もきっちり盛り込まれている上、さらに山師的な興行師ドン・キングとのやりとりや、タイトルマッチを盛り上げようと開かれた音楽祭のシーンがからんできたりと盛りだくさんな内容。
この音楽祭がまたすごい。JBことジェームス・ブラウンは全盛期なのかなー。あのダンスの足さばきは必見。さらにキング・オブ・ザ・ブルーズ、B.B. キングも出演。ライブ映像も楽しめちゃうのだ。
キンシャサで試合へ向けて調整するアリとフォアマンの対比もおもしろい。そもそもアリはイスラム教徒で、飛行機を降りた時点から、現地の人たちの大歓迎を受け、その輪の中に溶け込んでいく。一方のフォアマンはスマートなんだけど、良くも悪くもアメリカナイズされていて、気の毒なほどアフリカでは人気がない。
徐々に狂いだす、フォアマン側の歯車。そしてキンシャサの奇跡が起こる。事実は小説より奇なりとは、本当によく言ったものだなぁ。
「モハメド・アリ かけがえのない日々」は、アリと親交のある人たちのコメントで締めくくられる。
その中で、アリがハーバードの卒業式に来賓で呼ばれたときのエピソードが最高。スピーチを終え、卒業式出席者から拍手を浴びるアリに、「即興で詩を!」のリクエストが。そこでつむぎだされたのが「me, we.」の2words。すばらしいね。「私、私たち」、本当に詩だ。
こうやって生きてる人もいるんだから、こんな安穏とした人生で落ち込んでる自分はダメ人間だとしみじみ思う。
そんな気分の時は、この掛け声だ!ボマイエ!ボマイエ!ボマイエ!ボマイエ!
・モハメド・アリ Wikipedia
・モハメド・アリ かけがえのない日々
Posted by sbt at Ottobre 11, 2005 | アメリカ映画
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