フォッグ・オブ・ウォー

フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白を見たので、その感想。同時上映は、華氏911でございました。上映館はワセショーこと、早稲田松竹。
カンヌで栄冠に輝いた華氏911ですが、フォッグ・オブ・ウォーも2003年アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞、LA批評家協会賞ドキュメンタリー賞を受賞してます。
この2本立て、かなり興味深かったです。アメリカで今行われている戦争と過去の戦争を、一方は現在も反戦運動・反ブッシュ運動をしている現役バリバリのマイケル・ムーアの。もう一方は権力側にいたマクナマラ元米国防長官の視点で追っています。
ただ、マクナマラ元国防長官は、1916年生まれ。90歳に手が届こうという御歳なので、フォッグ・オブ・ウォーは回顧録の色合いが強いです。
ハーバードで経営管理を学び、やがて教授に。第二次大戦ではその理論を応用して、米軍の攻撃効率を向上させる。終戦後はフォードに移り、経営建て直しの中核を担い、ついに社長になるも、就任後5週間で発足したばかりのケネディ政権に引き抜かれ、国防長官に抜擢という。もう経歴聞いただけで、エリートの中のエリートなわけですよ! byサンボマスター。
そのマクナマラが、第二次世界大戦、キューバ危機、ベトナム戦争等々、過去の経験から得た11の教訓に沿って、映画は進んでいきます。
マクナマラの曰く、
教訓1: 敵の身になって考えよ
教訓2: 理性は助けにならない
教訓3: 自己を越えた何かのために
教訓4: 効率を最大限に高めよ
教訓5: 戦争にも釣り合いが必要だ
教訓6: データを集めろ
教訓7: 目に見えた事実が正しいとは限らない
教訓8: 理由付けを再検証せよ
教訓9: 人は善をなさんとして悪をなす
教訓10: “決して”とは決して言うな
教訓11: 人間の本質は変えられない
この中で、一番印象に残ったのが、教訓5:戦争にも釣り合いが必要だ。
この後に続くのは、第二次大戦での日本への空襲の話でした。焼夷弾による日本人の死者数が、米軍の勝利と比較して、不釣り合いに多すぎた、ということを言ってるのです。そのマクナマラの独白に、焼け野原になった日本の都市名と壊滅度が%表示され、同規模のアメリカの都市の名前がそこにかぶっていきます。
マクナマラ自身は善悪で動く人ではなくて、執行者として、データを活用した実務を行っているだけ。それが批判の対象にもなっているようだけど、正直な人でもあると思えました。
個人的には、演出過剰な華氏911より、オーソドックスなフォッグ・オブ・ウォーの方に、映画として好感持ちました。
・フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白 公式サイト
・フォッグ・オブ・ウォー THE FOG OF WAR
Posted by sbt at Febbraio 17, 2005 | アメリカ映画
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